お金のいらない国(1)
アメリカは1%の金持ちの為の社会であるということを気付いたアメリカ国民は、大デモしてますね。そして、世界中、資本主義社会システムの崩壊。
う~ん、お金がない世界なら、どれだけ幸せやろう
進化した星は「お金」がないというが、私達は生まれてきて、お金ありきで、お金に振り回され、『お金がいらない世界』を想像することは、ちょっと難しいですね。
で、以前ご紹介させていただきましたが、『お金のいらない国』という本を執筆された方がいます。長島 龍人(りゅうじん)さんです。
『お金のいらない国』においらは大変感動して、これこそリアルユートピアだと感激してます
ご本人から転載のご許可をいただきましたので、わくわくしながらぜひお読みください
。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚
『お金のいらない国』
ふと気がつくと、私は見知らぬ町に立っていた。
ビルが立ち並び、車が行き交い、大勢の人々が歩いているその町は、一見、私が住んでいる町に似ていた。しかし、確かに私の町ではなかった。
空は青く、空気は澄んでいた。
建物も車もどことなく私の知っているものとは違っていた。また、その町にはさまざまな人種がいるようだった。でも不思議なことに言葉は誰とでも通じるらしく、皆、楽しそうに語り合っていた。暫く呆然と立っていた私の側に、一人の日本人らしき人が近づいて来て私に話しかけた。
「ようこそ。お待ちしておりました」
ダークスーツをさり気なく着こなしたその人は、四十代半ばくらいの品のいい紳士だった。しかし誰なのか、私は全く覚えがない。戸惑っていた私に、彼は言った。
「どうぞ私について来てください」
さっぱり訳が分からなかったが、とても悪い人には見えなかったので、私は彼の後について歩きだした。そこは、やはり私の町とは違っていた。すべてのものが美しい。決して絢爛豪華というのではない。
どちらかといえばその逆で、建物も車も非常にシンプル。しかし、機能美というのか、まったく無駄のない、とても好感の持てるデザインがされていた。
町並みに見とれながら少し歩くと、彼は一軒の喫茶店らしき所に入った。広くはないが小綺麗な店で、わたしたちが席につくなり、ウェイトレスがメニューを持って来て言った。
「いらっしゃいませ。何にいたしましょうか」
そのウェイトレスは可愛らしい顔をした黒人女性だったが、日本語が話せるらしかった。紳士は私にメニューを渡し、何を注文するか聞いた。私は何も見ず、とっさに「あ、コ、コーヒーを…」
と言った。紳士はウェイトレスにメニューを返しながら
「コーヒーをふたつください」
と言った。その丁寧な注文の仕方が、妙に私の耳に心地良かった。
「かしこまりました」
ウェイトレスは、にっこり笑って厨房の方へ去って行った。
少し沈黙があってから、私は紳士に聞いてみた。
「あのう…」
紳士は微笑んでいる。
「ここはどこなんでしょうか」
紳士は暫く黙っていたが、やがて言った。
「さあ、どこでしょう…」
「は」
私は唖然としてしまった。こいつ、人のよさそうな顔をして、私をからかうつもりなんだろうか。だいたい、何のために私をここへ連れてきたんだ。私は質問を変えてみた。
「あなたはどなたですか。私のことをご存じなんですか」
紳士は微笑んで言った。
「いずれ、お分かりになると思いますよ。悪いようにはいたしませんから、今は私について来てください」
私は全く納得がいかなかったが、見知らぬ町に一人で放り出されても仕方がないので、ひとまずこの紳士の言う通りにしようと思った。やがてコーヒーが運ばれてきて、私たちは黙って飲んだ。紳士は相変わらず微笑んでいた。
私はさっぱり訳が分からなかった。でも、コーヒーはとてもうまかった。暫くして紳士が言った。
「じゃ、そろそろ行きましょうか」
どこへ行くんだか知らないが、私はうなずいて席を立った。紳士はそのまま店を出ようとした。私は驚いた。私にコーヒー代を払わせるつもりだろうか。どうしたらいいかわからないまま、私も紳士の後に続いて店を出てしまった。さっきのウェイトレスが呼び止めると思ったのに、彼女はにっこり笑って私たちを見ている。おまけに彼女はこう言ったのだ。
「ありがとうございました。またお越しください」
紳士はスタスタと歩き出している。私は瞬間的に考えた。そうか、あの店はこの紳士の行きつけで、きっとコーヒーチケットを預けてあるに違いない。私は、なあんだと思った。しかし、見ず知らずの人におごってもらうのも悪いなと思い、お金はとらないだろうとは思ったが、一応、聞いてみることにした。
「あのう、いくらでした」
紳士は驚いたような顔で私を見た。
「いくらって、何がですか」
「え、あの、コーヒーですよ。今、飲んだ」
「はあ」
「いや、ちゃんと割ってくださいよ。悪いですよ」
紳士は不思議そうな顔をして言った。
「割るって何を割るんですか」
私は少しイラッとした。こいつ、やっぱり私をからかってるんだな。ああ、さっきちゃんとメニューを見ておけばよかった。私はきっぱり言った。
「コーヒー代ですよ。お金払いますから値段教えてください」
「おかね?…ねだん?…なんですか、それ」
私は呆れてしまった。こいつ、一体どこまでとぼけるつもりなんだ。ほんとにふざけた野郎だ。でもまあ、いいか。おごってくれるというのなら、私が損するわけでもないし。
暫く歩くと紳士は、今度は大会社という感じの大きなビルに入って行った。私は、ただ黙って後をついて行った。ビルの中では何人かの人にすれ違ったが、皆、紳士に丁寧に挨拶をし、紳士もそれに丁寧に応えていた。
私は思った。そうか、どうも貫禄があると思ったら、この紳士はきっとこの会社の偉いさんなんだ。それも、社員たちに好かれている重役といったところか。
いや、もしかしたら社長かもしれない。それならそうと早く言ってくれればいいのに。コーヒー代なんかでガタガタ言うんじゃなかった。私は妙に納得してしまい、いい人と知り合いになったかもしれないと思った。
紳士は一つのドアの前で立ち止まった。側にあったベンチで私に少し待っているように言い、彼はドアの中に入って行った。社長室のドアにしては、ちょっとちゃちだなと思ったが、私は見た目より座り心地のいいベンチで、彼が出てくるのを待った。
暫くしてドアが開いた。でも出てきたのは紳士ではなく、掃除のおじさんだった。私は、なあんだと思ったが、そのおじさんをもう一度よく見てわが目を疑った。
「お待たせしました」
それは間違いなく紳士だった。紳士は作業服に手袋をし、電気掃除機らしき機械を引きずって私の前に現れたのだ。目を丸くしている私に彼は言った。
「どうされました。何か変ですか」
私は暫く声が出なかったが、やっとのことで口を開いた。
「あ、の、掃除が…お仕事なんですか」
紳士は自信に満ちた表情で言った。
「そうですよ。私はこのビルの清掃を、もう長いことやらせてもらっています」
私は拍子抜けがしてしまった。てっきり、金持ちの社長か重役と友だちになれたと思っていたのに…。私は、正直言ってとてもがっかりした。紳士は掃除機のスイッチを入れて仕事を始めた。すごく高性能の掃除機らしく、何の音もしなかった。紳士は言った。
「できれば町をご案内してさしあげたいのですが、私はこれから暫くここで仕事をしなければなりません。申し訳ありませんが、お一人で散歩でもなさって来ていただけませんか。いえ、心配はいりません。この町の人たちは皆とても親切ですから、わからないことがあったら誰にでも遠慮なく聞いてください。散歩に飽きたら、ここに戻って来てください。私はあなたが戻って来られるまで、ここで仕事をしております」
『お金のいらない国』(2)へ続く
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最後まで読んでくださって、ありがとうございます
合掌
う~ん、お金がない世界なら、どれだけ幸せやろう
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で、以前ご紹介させていただきましたが、『お金のいらない国』という本を執筆された方がいます。長島 龍人(りゅうじん)さんです。
『お金のいらない国』においらは大変感動して、これこそリアルユートピアだと感激してます
ご本人から転載のご許可をいただきましたので、わくわくしながらぜひお読みください
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『お金のいらない国』
ふと気がつくと、私は見知らぬ町に立っていた。
ビルが立ち並び、車が行き交い、大勢の人々が歩いているその町は、一見、私が住んでいる町に似ていた。しかし、確かに私の町ではなかった。
空は青く、空気は澄んでいた。
建物も車もどことなく私の知っているものとは違っていた。また、その町にはさまざまな人種がいるようだった。でも不思議なことに言葉は誰とでも通じるらしく、皆、楽しそうに語り合っていた。暫く呆然と立っていた私の側に、一人の日本人らしき人が近づいて来て私に話しかけた。
「ようこそ。お待ちしておりました」
ダークスーツをさり気なく着こなしたその人は、四十代半ばくらいの品のいい紳士だった。しかし誰なのか、私は全く覚えがない。戸惑っていた私に、彼は言った。
「どうぞ私について来てください」
さっぱり訳が分からなかったが、とても悪い人には見えなかったので、私は彼の後について歩きだした。そこは、やはり私の町とは違っていた。すべてのものが美しい。決して絢爛豪華というのではない。
どちらかといえばその逆で、建物も車も非常にシンプル。しかし、機能美というのか、まったく無駄のない、とても好感の持てるデザインがされていた。
町並みに見とれながら少し歩くと、彼は一軒の喫茶店らしき所に入った。広くはないが小綺麗な店で、わたしたちが席につくなり、ウェイトレスがメニューを持って来て言った。
「いらっしゃいませ。何にいたしましょうか」
そのウェイトレスは可愛らしい顔をした黒人女性だったが、日本語が話せるらしかった。紳士は私にメニューを渡し、何を注文するか聞いた。私は何も見ず、とっさに「あ、コ、コーヒーを…」
と言った。紳士はウェイトレスにメニューを返しながら
「コーヒーをふたつください」
と言った。その丁寧な注文の仕方が、妙に私の耳に心地良かった。
「かしこまりました」
ウェイトレスは、にっこり笑って厨房の方へ去って行った。
少し沈黙があってから、私は紳士に聞いてみた。
「あのう…」
紳士は微笑んでいる。
「ここはどこなんでしょうか」
紳士は暫く黙っていたが、やがて言った。
「さあ、どこでしょう…」
「は」
私は唖然としてしまった。こいつ、人のよさそうな顔をして、私をからかうつもりなんだろうか。だいたい、何のために私をここへ連れてきたんだ。私は質問を変えてみた。
「あなたはどなたですか。私のことをご存じなんですか」
紳士は微笑んで言った。
「いずれ、お分かりになると思いますよ。悪いようにはいたしませんから、今は私について来てください」
私は全く納得がいかなかったが、見知らぬ町に一人で放り出されても仕方がないので、ひとまずこの紳士の言う通りにしようと思った。やがてコーヒーが運ばれてきて、私たちは黙って飲んだ。紳士は相変わらず微笑んでいた。
私はさっぱり訳が分からなかった。でも、コーヒーはとてもうまかった。暫くして紳士が言った。
「じゃ、そろそろ行きましょうか」
どこへ行くんだか知らないが、私はうなずいて席を立った。紳士はそのまま店を出ようとした。私は驚いた。私にコーヒー代を払わせるつもりだろうか。どうしたらいいかわからないまま、私も紳士の後に続いて店を出てしまった。さっきのウェイトレスが呼び止めると思ったのに、彼女はにっこり笑って私たちを見ている。おまけに彼女はこう言ったのだ。
「ありがとうございました。またお越しください」
紳士はスタスタと歩き出している。私は瞬間的に考えた。そうか、あの店はこの紳士の行きつけで、きっとコーヒーチケットを預けてあるに違いない。私は、なあんだと思った。しかし、見ず知らずの人におごってもらうのも悪いなと思い、お金はとらないだろうとは思ったが、一応、聞いてみることにした。
「あのう、いくらでした」
紳士は驚いたような顔で私を見た。
「いくらって、何がですか」
「え、あの、コーヒーですよ。今、飲んだ」
「はあ」
「いや、ちゃんと割ってくださいよ。悪いですよ」
紳士は不思議そうな顔をして言った。
「割るって何を割るんですか」
私は少しイラッとした。こいつ、やっぱり私をからかってるんだな。ああ、さっきちゃんとメニューを見ておけばよかった。私はきっぱり言った。
「コーヒー代ですよ。お金払いますから値段教えてください」
「おかね?…ねだん?…なんですか、それ」
私は呆れてしまった。こいつ、一体どこまでとぼけるつもりなんだ。ほんとにふざけた野郎だ。でもまあ、いいか。おごってくれるというのなら、私が損するわけでもないし。
暫く歩くと紳士は、今度は大会社という感じの大きなビルに入って行った。私は、ただ黙って後をついて行った。ビルの中では何人かの人にすれ違ったが、皆、紳士に丁寧に挨拶をし、紳士もそれに丁寧に応えていた。
私は思った。そうか、どうも貫禄があると思ったら、この紳士はきっとこの会社の偉いさんなんだ。それも、社員たちに好かれている重役といったところか。
いや、もしかしたら社長かもしれない。それならそうと早く言ってくれればいいのに。コーヒー代なんかでガタガタ言うんじゃなかった。私は妙に納得してしまい、いい人と知り合いになったかもしれないと思った。
紳士は一つのドアの前で立ち止まった。側にあったベンチで私に少し待っているように言い、彼はドアの中に入って行った。社長室のドアにしては、ちょっとちゃちだなと思ったが、私は見た目より座り心地のいいベンチで、彼が出てくるのを待った。
暫くしてドアが開いた。でも出てきたのは紳士ではなく、掃除のおじさんだった。私は、なあんだと思ったが、そのおじさんをもう一度よく見てわが目を疑った。
「お待たせしました」
それは間違いなく紳士だった。紳士は作業服に手袋をし、電気掃除機らしき機械を引きずって私の前に現れたのだ。目を丸くしている私に彼は言った。
「どうされました。何か変ですか」
私は暫く声が出なかったが、やっとのことで口を開いた。
「あ、の、掃除が…お仕事なんですか」
紳士は自信に満ちた表情で言った。
「そうですよ。私はこのビルの清掃を、もう長いことやらせてもらっています」
私は拍子抜けがしてしまった。てっきり、金持ちの社長か重役と友だちになれたと思っていたのに…。私は、正直言ってとてもがっかりした。紳士は掃除機のスイッチを入れて仕事を始めた。すごく高性能の掃除機らしく、何の音もしなかった。紳士は言った。
「できれば町をご案内してさしあげたいのですが、私はこれから暫くここで仕事をしなければなりません。申し訳ありませんが、お一人で散歩でもなさって来ていただけませんか。いえ、心配はいりません。この町の人たちは皆とても親切ですから、わからないことがあったら誰にでも遠慮なく聞いてください。散歩に飽きたら、ここに戻って来てください。私はあなたが戻って来られるまで、ここで仕事をしております」
『お金のいらない国』(2)へ続く
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
昨年、読みました。
早くこんな世界になるといいですね〜。
投稿: pyon | 2011年11月 3日 (木曜日) 08時39分
pyonさん
>昨年、読みました。
↑さすが
早くこんな世界になるといいですね!
ありがとうございます
合掌
投稿: ☆たけ☆ | 2011年11月 3日 (木曜日) 23時52分